シナプスのすきま

若手舞台俳優オタクが語りたいだけ語るところ

舞台「炎の蜃気楼~昭和編~夜叉衆ブギウギ」感想

初日と2日目、合計3公演観てきた。今回はネタバレが厳重に禁止されていたので、初日にしておいて良かった。
この記事はいつもの通りネタバレ満載なので、あらかじめ書いたものを千秋楽終演後・カテコの最中くらいの時間に予約して投稿することにした。ちゃんとできたかな?
DVDとかで観るのを楽しみにしている方はご注意ください。

私が舞台俳優オタクになったのは去年のミラステの後だったので、ミラステを生で観るのは初めてだ。
2.5次元舞台を見る時はいつもアニメなり漫画なりをレンタルして予習するんだけど、ミラジェンヌの方々に聞くとどうもアニメは「昭和編」じゃないらしく、原作小説はもう20年以上続いている大長編。やむを得ず、舞台化1作目のDVDを買うことにした。

見た。


ハマった。


俳優さんを好きになってから久しく忘れていた「BLドロドロ愛憎劇おいしい!」という感情を、ミラステは思い出させてくれた。
※言い忘れていましたが、この記事には“そういうの”が好きな女性向けの単語が多数出てきます。ご注意ください。

ミラステ3作目の今回はオムニバス形式。原作より4編+書き下ろし1編だった。
一つずつ感想を書こうと思う。

黄浦江ワルツ

良が香港にいたころの話。
この良というキャラ、舞台化1作目には出てこなかったので初めて知ったんだけど、ハッとするようなイケメンだと思った。めちゃくちゃイケメン。しかも一番病んでないというかまともな青年らしいことを言ってて、すごく私の好みだった。いや、病んだ末にこうなったのかもしれないけど。
この話のときまだ10代と言っていた。このあと戦争があって、夜啼鳥のときが戦後3年だから、瑠璃燕のとき良は20代か……いいなぁ……。
リャンチー役の女優さん、声は可愛らしいけれど身長がすごく高い。ヒール込みだと直江くらいあるのでは?良の役者さんもかなり高身長だから、バランスが抜群のお似合いカップルだった。

最後リャンチーととても良い雰囲気だったのに、良はなんで身を引いたのかな?
普通の話なら、あそこで結ばれて一緒に息子を育てて、平穏に幸せに暮らすんだろう。なんでだよ…って思ったんだけど、すっかり忘れてた。良は「上杉夜叉衆」なんだった。
良自身はもう、夜叉衆としての使命は捨ててしまっていいんじゃないかと考えていただろうけど、実際に捨てられるものなのかは良の一存では断言できない。そんな状態でリャンチーと結ばれても、争いと無縁で平穏な暮らしなんて望めないだろう。そう判断したんじゃないかな…。原作ファンの方、どうなんでしょうか?
でも、リャンチーは永遠に良の心の恋人なんだなあ。切ないなあ……。

恋花火ラプソディ

マリーが中学生のときの話。
セーラー服姿のマリーがめちゃくちゃかわいい!違和感なんてない。DVDで見た時にも思ったけど、役者さんの声が鈴の音のように綺麗でよく通るのが印象的だった。表情もコロコロ変わって、拗ねた顔も愛らしい。
マリーが昔お姉さんから教わったという歌には、「離れても忘れずに」「あの日見た星を」「同じ空を見ているよ」「君を愛しているから」そんなフレーズが入っていた。マリーの慎太郎さんへの想いと重なる歌詞だよね。
ケインの役者さん、観ている間ずっと外国人だと思っていた……エンディングでお名前を見て「あっこの人知ってる忍ミュに出てた!日本人だったの!??」ってびっくりした(笑)目鼻立ちハッキリハンサム……!
そしてそして、(原作未読なので)まさか出てくるとは思わなかったよ、直江の山口だったときの姿……!彼いくつなの!?白髪混じりに見えたけど照明のせいかもしれないし…でも本当に白髪混じりだとしたら初老!?うそでしょ!?初老を演じる推しもかっこよかった~!!
山口(直江)がマリーの頭なでなですんの微笑ましすぎ!!!景虎様と一緒の時の直江とはえらい違いだ……しかも、マリーにめためたに優しい。
ケインのことを好きになりかけたとき、「ケインさんが慎太郎さんの生まれ変わりだったらなぁ」と思ってしまった、彼を忘れられないと嘆くマリーに対して、直江が「晴家は一途だなぁ」って言うくだり。この一時だけ、直江が景虎様へのことを忘れて話しているように見えた……。
夜啼鳥の時点でも、マリーにこんなに優しかったっけ?もしかして尚紀に換生してからかな、あんなに拗らせたのは。そう思うと、つらいなぁ……。元々拗れに拗れていた関係が、成人の身体に換生したことで更に拗れたんだね。

情熱カクテル

景虎様がレガーロのボーイになってしばらくした頃の話。
「自分の情熱を表すなんてできない。裸を晒すようなものだ」って言った景虎様に対して直江が「俺は飲みたいですけどね、あなたの情熱。それも、腹いっぱいに」ってことは直江さん??裸の景虎様をどうにかして……???それってもう情事の暗喩ゲフンゲフン!!って感じでした(語彙不足)。
そのあと景虎様が「張り倒すぞ!」って突っ込んで客席がフフフッて笑いに包まれた。直江もフッて笑ってた。なんやこれ……直江のセクハラを単なる冗談だと捉えてもらえるような穏やかな関係だと……!?ちょっと信じられないほどの癒し空間だった。
この話で景虎様が作ったオリジナルカクテルが、終演後に販売された。もちろん買いました。

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アセロラかチェリーの甘酸っぱい味の炭酸ジュースだった。DVDが届いたら、友達と一緒に観ながらこのカクテルの空き瓶にアセロラジュースを詰めて飲みたいな。
景虎様の「おい、ちょっと付き合ってくれ」というセリフにヒエエエエってなった。付き合うって恋人としてってことですか!!?※違います

今回涙を禁じ得ないようなつらく切ない話が多い、というか書き下ろしがかなりヘビーでアレな中、この話はほっこりニヤニヤできる貴重な仲良しエピソードだった。景虎様かわいかった~!

がめ医者エレジー

勝長殿が戦後に出会ったある医者との話。
このお話、すごく良かったんだけど、メインのお二人がセリフを噛み噛みで喋り出しも被ることが多くて、なんだか冷や冷やしながら見ちゃって集中できなかった……。残念。
そんな中、女性アンサンブルの上手さが光っていた。パンパンの女の子役の役者さんのお芝居が特に好き。

戦後すぐの話だから、景虎様が戦地から逃げるように帰ってきてからいくらも経っていない頃らしい。道理で荒れているわけだ。メチルアルコールなんて煽って、中毒で死んでしまいたかったんだろうか。
景虎様の姿を見て、昔読んだ「スヌスムムリクの恋人」という小説に出てくる「内罰するS遺伝子」という言葉を思い出した。
この、自分自身を罰したい内向的なSっ気を、夜啼鳥の時期になってもまだ引き摺ってるんだよなぁ…。
勝長には「神崎は正しくあることから解放されているんじゃないですか」と言ったけれど、景虎様自身この時期は「正しくあること」を捨てていたわけで。……いや違うな、戦争を見ていて「正しさ」が何かわからなくなったのかな。
だから、「正しさとは?」ということを考えること自体から逃れられたら幸せだな、と思ったのかな。


やどかりボレロ

ついに来ました。原作者の先生がこの舞台のために書き下ろしたお話。
これがもうね、良すぎ&良すぎ!!!感想と言っても頭と心が飽和状態で、何から書けばいいのやら???
お話の時間軸は、直江が尚紀に換生したばかりの頃。

まずは冒頭の、景虎様の脳内裁判のシーン。まず脳内で自分の裁判を起こす時点で景虎様、かなりドMだよね。というか一周回ってSだ。内罰するS。
早く裁きを!裁きを!って景虎様が何度も痛々しく叫ぶのは、まさに彼の心からの叫びだと思う。ずっと圧し殺すようにしてきた、自分の中にある闇――何百年も争いを繰り返しては怨霊を生み出し続ける愚かで弱い人間を、いっそ滅ぼしてしまいたいという願望。それを丸裸に暴いて裁いて罰してほしいという夢。そして景虎様は、自分の本質を恐らく自分自身よりも深く理解している直江が、強引に余すことなく自分を暴いてくれることを、期待しているんだね。直江ならきっと、深く抉るように罵り尽くしてくれるはずって。
もちろん現実の直江はそんなことはしない。してくれない。できるのは直江しかいないのに、してほしいのにしてくれない!もどかしい!俺はこんなに悪いやつなのに!こんな俺を憎めよ直江!
ってことですか景虎様あああ!!?あのね、私、そういうの大好きだ!
直江が「誰からも軽蔑されてボロボロになればいい。そうなって初めて、あなたは私のものになる」的なことをいうじゃないですか(あまりの衝撃でうろ覚え)
もうね、お腹の奥がぎゅっと、締め付けられるみたいな感覚に陥って息を飲んだわ……。余りにつらくて、でも「わかるよ直江、あんたはそう思ってるんだね」ってやたら同情しちゃって冒頭から泣いた。
これは夢の中の直江だけど、本物の直江も同じようなことをきっと考えてるだろうなあ。

まだ換生したての直江は、宿体である尚紀に飲み込まれて直江らしからぬ言動(景虎様との会話が噛み合わず、尚紀とその幼なじみとのことを考えている瞬間があった)をするので、景虎様は「直江」を失うことを恐れたのか、焦ったように「尚紀に飲み込まれるな!お前がお前でなくなるくらいなら、尚紀の記憶など捨て去ってしまえ!」と言ってびっくりした。舞台化1作目を見た感じ、てっきり直江から景虎様への片想いなんだと思っていたから。
景虎様も、直江が直江として存在するためなら他はどうなってもいいとか、そんなことを考えるほどに直江が大事だったんだね。
この時の直江が「どうしてそんなことを言うんです?」ってちょっと嬉しそうにしているのが良かった(笑)
うろ覚えだけど、「お前の言っていることは青臭い若造の言うことで滑稽だからだ」といった感じの返しをして誤魔化すツンデレな景虎様かわいい!素直じゃない!先生この受け素直じゃないですよ!!直江がっかりですよ期待して損したって顔してます!!
景虎様としては直江が愛憎板挟みで苦しんでくれなきゃならないわけだから。直江は直江のまま苦しんでくれなきゃ。でも直江を苦しめること、直江に憎まれることは、景虎様をも苦しめることになるんだよなぁ。
ねえこの2人、いつまでこんなこと続けるの?あっ、本編(現代に換生する)までか……。昭和編のこの肉体では、一生結ばれることはないんだなあ。

この後も直江のためなら手段を選ばない景虎様が散見された。直江が襲われたときには颯爽と現れ(男前)、尚紀の大事な幼なじみを一切躊躇せず羽交い締めにして銃口を突き付け、人質にしてしまったり。
こんな非人道的なことも、直江のためならやってのけるのか~。

この時奪った拳銃を景虎様が腰から提げてて、その銃を直江が奪おうとしたシーン、あれはやばかった。
直江と景虎様は体格差もあるんだし普通に奪えばいいものを、直江のやつどさくさに紛れて強引に景虎様を抱き寄せてぎゅっと完全に密着しやがった……!びっくりしてもう見てて(  Д ) ⊙ ⊙しばらくこんな顔になってしまった。
直江、おまえ本当にスケベだな!!かわいくてかわいくて可哀想な景虎様に何してくれとんねん!?って、直江を演じているのは推しなのに思ってしまった(笑)もうミラステは、推しとか関係なくただひたすら「直江×景虎様」を好きになっていた。

それでこの後さらに景虎様がピーチ姫のように攫われて、自白剤飲まされて男たちに暴行を受けて――ってそれなんてBL?あっこれBLだったわ。同人誌もびっくりの王道おいしい展開に脱帽である。
暴行を受けたあと薬のせいで夢うつつになる景虎様の、迫真の演技が凄まじかった。
「直江、お前は哀れだな……俺なんかに押し潰されて……でも、俺はお前じゃなきゃダメなんだよ……そのために俺は……お前の倒せない唯一の男でなければならない……」って言ってた(例によってうろ覚え)
これどういう意味ですか???直江が景虎様への憎しみと愛しさに押し潰されてて、憎くて憎くて痛めつけて殺してやりたいけど愛してるからできないっていう、そういう存在でい続けたいということ?直江は生殺しですか??
遅れて直江が助けに来たとき、まだ景虎様の意識は朦朧としていて、「いいか、骨までだ……このまま骨までしゃぶれ!」って叫んで直江に抱き着いて喉元に噛み付いたように見えた。かと思ったら、暗転。ここで暗転……一体このあと2人に何が、というか何をしたのか……ごくり。

とにかくこの一連のシーンの、景虎様の役者さんの鬼気迫る演技が凄まじくて感服した。普段の彼は、というかカテコでさえ8割が嘘や冗談という、結構ふざけた人なのに笑。私の推し(直江の役者さん)が毎度「尊敬する、憧れる先輩」としてその名前を挙げる理由がわかった気がした。あんなの、推しじゃなくても惚れるよ。

あと、尚紀のときの直江ってハイネックにジャケットっていう服装が主だからこそだと思うんだけど、ポロシャツ姿で出てきたときに「急に露出多くなった!」って嬉しくなった(笑)。ブロマイドにもポロシャツ+ジャケットのがあるんだけど、こっちのほうが推しには似合ってる気がするから嬉しい。


以上、感想でした。
さて、物販でまだ売っていた瑠璃燕のDVDを購入したので、今から観ます。
まだまだミラステの世界に浸っていたいなあ。